映画「カーズ2」感想・考察:ド迫力なスパイムービーに隠されたテーマ「ありのままの君でいい」

 今回は、ディズニー・ピクサーの「カーズ2」について語っていきたいと思います。


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「カーズ2」の主役は、天才レーサーのライトニング・マックィーンではなく、その相棒のメーターです。

 

今作は「カーズ」シリーズの中でもレースに重きを置いてない物語でありマックィーンの出番も他に比べて少なめだからか?賛否両論が分かれているようですが、私は「カーズ」と同等、いやそれ以上に「カーズ2」が好きと言っても過言ではありません。

 

それは最強のイケおじスパイカー・フィンマックミサイルが出ているから…というのも大きな理由の一つですが(笑)、ド派手なアクションシーンに加えて大事なテーマも隠されているのでピクサー映画の中でもお気に入りの作品です。

 

そんな「カーズ2」大肯定派の私が、この作品について色々語っていきたいと思います。

 

 

概要

原題/邦題:Cars2/カーズ2

公開日:2011年6月24日(米)/  2011年7月30日(日)

上映時間:113分

 

あらすじ

 ピストンカップで4連覇を果たしラジエーター・スプリングスに戻って来たマックィーンは、ゆっくり休息しようとしていた。

だがメーター促しやライバルのフォーミュラカーであるフランチェスコ・ベルヌーイの挑発に乗り、マックィーンはアクセルロッド卿主催のワールドグランプリに出場することになった。

 

このレースはアクセルロッド卿が新エネルギーのアリノールの可能性を示すために開かれたものであり、出場するレースカーは全員アリノールを使うことが決められていた。だが、レース中に不測のアクシデントが続出する。

 

一方、イギリスの諜報員フィンマックミサイルとそのサポート役のホリー・シフトウェルは、ある調査のためメーター達がいる日本のパーティーに潜入していた。

メーターはフィンマックミサイルと敵との攻防に巻き込まれ、さらには2人の任務に協力することになるのだが……

 

スタッフ

監督:ジョン・ラセター、ブラッド・ルイス

脚本:ベン・クイーン

音楽:マイケル・ジアッキーノ

 

監督はピクサーではお馴染みのジョン・ラセター。音楽もピクサーにとってマイケル・ジアッキーノが担当しています。

「カーズ」の楽曲も素晴らしいものばかりでしたが、今作でもスパイ映画にピッタリなスリル満点な曲から、イタリアの優雅な都市を連想させる曲まで様々です。

特にフィンマックミサイルのテーマ曲といっても過言ではない「♪ててんてーん ててんてーん」のメロディは一度聞いたら頭から離れない人もいるのではないでしょうか。

 

キャスト

 ライトニング・マックィーン :オーウェン・ウィルソン土田大

メーター :ラリー・ザ・ケーブル・ガイ /山口智充

フィン・マックミサイル :マイケル・ケイン大塚芳忠

ホリー・シフトウェル :エミリー・モーティマー朴璐美

マイルズ・アクセルロッド :エディ・イザード/ 落合弘治

フランチェスコ・ベルヌーイ: ジョン・タトゥーロ宗矢樹頼

ザンダップ :トーマス・クレッチマン青山穣

 

吹替版は旧キャラクターも続投したキャスト陣に加え、新キャラには豪華声優陣で固められています。

 

ちなみに他ピクサー作品だと 落合弘治さんは「トイ・ストーリー」のエイリアンとミスター・プリックルパンツ、「インサイド・ヘッド」のビビリ、青山穣さんは「モンスターズ・インク」のランドールも演じています。

 

 

感想・考察

 

今回の舞台はアメリカを飛び出して世界へ!特に日本に訪れるシーン

メーターの計らい?によってワールドグランプリに出場することになったマックィーン。

今回のレースは世界規模で開かれ、レースの場所は日本、フランス、イタリアとなっています。

 

マックィーン達が日本にやって来るシーンは、日本人のカーズファンならテンション上がること間違いなし!だってマックィーンが日本にいるんだもの!

 

ワクワクした顔でネオン街を歩いたり相撲を観戦する姿を見ていると、こっちまでテンションが上がります。

 

ピクサー史上最も迫力満載なアクションシーンが沢山!これぞ本物のカーチェイス

序盤のフィンマックミサイルと敵とのカーチェイスから始まり、日本で開かれたレースでの、空港での銃撃戦、ロンドンでのレースでロケットぶっ放して暴走するメーター…など今回は手に汗握るアクションシーンが盛りだくさんです。

 

これこそ本物のカーチェイスって感じがします!車本人が走ってますからね笑

 

フィンマックミサイルが最高すぎる

初登場となるキャラクター、フィンマックミサイルがかっこよすぎるんです。本当。

序盤の潜入捜査シーンでは、フックで船にこっそり、マグネット仕様になったタイヤで滑りあがります。

さらに追いかけてくる敵にはオイルや小型爆弾をお見舞いし、水上車になって逃げきろうとします。

爆弾を打たれても今度は水中使用になりダミーのタイヤを浮かべ死んだかの様に演出する…

もはや車なのか!?とつっこみたくなるぐらいのハイスペックカーです。

 

更には 飛行機や新幹線の知り合いがいたり、情報屋とも(「トンベは刑務所に入れられていたのを私が助けてやったんだ」とサラッと凄く気になる発言をしていた)…なかなかミステリアスなキャラクターです。

 

変わる必要はあるのか?

スパイアクション映画の印象が強い「カーズ2」ですが、実はマックィーンとメーターの友情が深まるストーリーにもなっています。

 

サリーに勧められ初めてレースにメーターを連れて来たマックィーンはこのような忠告をします。

 

「ここはラジエーター・スプリングスじゃない」

 「いつもと違う場所に来たんだから君も、自分を少し変えてみたらどうだろう」

 

メーターはお調子者で思ったことをストレートに発言してしまいます。その正直すぎる性格は、マックィーンを時に困らせてしまいます。

 

ラジエーター・スプリングにいるときは今のメーターでもいいんです。周りの仲間達はメーターがどんな人物なのかを知っていますし、それを受け入れてくれています。

ですが、ラジエーター・スプリング以外の人達はどうでしょう。

初対面の人からしてみれば、メーターは空気の読めない浮いた奴で、隣にいるマックィーンまでが恥をかくはめになってしまいます。

(カーズ2苦手な人はメーターの行動や発言にイラっとしてしまう方が多いかもしれませんね笑)

 

だからマックィーンは、ありのままの君だとまずいから、もう少しその性格を直してくれないか、とメーターに釘を刺すような言葉を言ったんですかね。

 

ですが日本でのレースで、メーターの言動に振り回されたマックィーンはミスをして1位の座を奪われてしまいます。

大の負けず嫌いであるマックィーンはカンカンです。今まであれだけ勝利にこだわり続けてきましたからね。

 

そのままの君でいい

喧嘩別れした後、マックィーンはメーターの件で引きずります。かなり引きずります笑

最後のレース会場であるイタリアに来てもずっと浮かない顔をしています。

 

ルイジのおじさんに相談に乗ってもらったマックィーンは、親友と喧嘩して、そんな親友に君も変われと言ったことを打ち明けます。

その話を聞いておじさんは「だったら、どうして変われって言ったんだい?」と問いかけます・

 

マックィーンはありのままのメーターのことが好きになり親友になったはずです。だったら、親友に変わってもらう必要はあるのでしょうか。

 

一方メーターは、フィンマックミサイルに「君はあの恥ずかしいレッカー車を完璧に演じている」「皆騙されてることに気付かないんだ。君が、おかしすぎて」と言われ(本人はスパイとしての彼を誉めたつもりだった)落ち込んでしまいます。

 

その後もマックィーンを救うために頑張るわけですが、時折自信のないセリフを吐きます。

ですがありのままのメーターでいて欲しいと思うようになったマックィーンは、「ラジエーター・スプリングと同じ、そのまんまの君になれ」って言ってあげるわけなんですね。

 

「君は爆弾だ!それが言いたかったんだ!」というセリフには今でも引っかかっていて、どういうことだろなと見る度に考えるわけですが、要するにメーターはマックィーンにとっての起爆剤って意味なんですかねぇ。

 

 

ペッパー達の復讐

今回の事件の黒幕はアクセルロッド卿でしたね。アクセルロッドの本来の狙いは石油の価値を落とさないことでしたが、周りからバカにされ傷を負った欠陥車を手下に集めて上手く利用するんですよね。

 

このペッパー達の復讐心を燃やし、今回の計画を実行するわけです。

 

メーターがサラッといいこと言うんですよね。

 

「どんなに権力を持っても、お金持ちになっても、それで満足ってことないでしょ?」

 

確かにその通りだと思います(笑)人間なんて欲深い生き物ですからね。

メーター自身錆びついたレッカー車ですし、ペッパー側の存在でありペッパー達の気持ちも分かると思うんです。

ですが目先の欲望に左右されず、本当に大事なことは何かメーターは分かっているから言えたセリフなのかなぁ。

 

最後に

 いかがでしたでしょうか。

「カーズ2」大肯定派による「カーズ2」の魅力、伝わっていれば幸いです(笑)

 

この映画はアクション映画やスパイ映画が好きな方にはもちろん、「自分は周りと変わっているかも」「私って変なのかな?」「今の自分じゃいけない気がする」と周りに馴染めず悩んでいる方にも見てほしい作品です。

 

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